豆柴の毛が抜ける音

ふわふわ。ほわほわ。もそっ。みっしり。

 

我が家の豆柴は換毛期まっさかり。

この時期は身体のところどころから毛束?がぴょこぴょことびだしている。つまむ。とれる。もそっととれる。つまみとると、静電気でふわぁっと毛先が広がってまるでたんぽぽの綿毛のようである。でも密度はこちらの方が高い。みっしり、という表現がぴったり。

 

今日は久しぶりに車で5分の大きなドッグランへ。これくらい短い距離の時は豆柴はキャリーの中に入った状態で車に乗る。

(ちなみに長距離の時はシートにペット用の専用カバーのようなものをかける。後部座席用で、運転席と助手席、後部座席のヘッドレストにそれぞれカバーの前後をかけて、横から見るとUの字のようになるようにセットする。ドアの面は専用のカバーはないので、トラックに荷物を積むときにかけたり荷物と壁の間に挟んだりするような布をホームセンターで買ってひっかける穴を開けて金具でふちを補強して、窓に貼ったひっかけるやつにかける形で保護している。豆柴はよく窓枠辺りに前脚をかけて窓に鼻をつけながら窓の外を眺めている。かわいい。)

我が家の豆柴は距離を問わずドライブが好きで、車に乗るのを全く嫌がらないし降りようとしない。

今日も降りようとしない豆柴をキャリーごと降ろして駐車場からドッグランに向かう。

でも歩かないの。まずキャリーから出てこない。ちょっとキャリーの後ろだけ持ち上げても脚を突っ張って落ちないように(キャリーからでないように)踏ん張っている。歩かせて向かうのを早々に諦めてキャリーのまま持って向かう。

途中、あるポイントまで来ると、行き先に気づいたようでもぞもぞしはじめた。もう一度キャリーから出そうとしてみる。ずざっと出る。かけ出す。リードをしっかり持って追いかける。かわいい。ドッグランでもほかの犬たちほどあまり駆け回らないので、ドッグランが好きなのかどうかはよく分からなかったけど、こういう様子を見て多分好きなんだろうなと推測している。

ドッグランでは大小さまざまな犬たちが駆けたりじゃれあったりうろうろしたりしている。我が家の豆柴と同じく換毛期の犬たちもいるようで、抜けた毛がそこここにふわふわしている。木の根元が吹き溜まりのようになっていて、抜け毛が空気と丸くなったようなものがいくつも転がっている。西部劇で荒野を転がっている枯れ草の丸まったやつを思い起こさせる。(あの枯れ草はタンブルウィード[tumbleweed]というらしい。)

そんなものたちを横目に豆柴はほかの犬たちと距離をとりながらうろうろしている。途中、白と明るいベージュのまだらのビーグル犬に構われわちゃわちゃのもみくちゃになっていた。ああいう時構われている側の飼い主としてどういうふうに対応したらいいかわからない。止めどきがわからない。今日は噛まれたりしている様子はなかったのでとりあえず見守っていた。わちゃわちゃになって体中土埃まみれになっていたけど、ほかの犬たちと交流する機会は普段ほとんどないのでよかっただろうか。

その後ときおりほかの犬におしりを嗅がれそうになっては駆け出す、というような感じでかなり駆け回っていたし、私とも追いかけっこをした(木の周りをひたすらぐるぐる回っていた。童心に帰るひととき)。

帰宅後、豆柴はシャンプー担当の我がパートナーによりしっかり洗われ、よく拭かれる。少ししっとりした状態でリビングに戻ってきた豆柴にご褒美のおやつをあげるのが私の役目。テンションが高いし好きなおやつなのですぐに食べおわってしまう(馬の肺を乾燥させた『ドライ馬ラングス』(そのままの名前…)が大好き)。

シャンプーの時にかなり毛が抜けているはずなのに、しっとりした状態から乾いてくるとどんどんふわふわと抜け毛が見えてくる。

つまむ。もそっととれる。みっしり。

しゃーっしゃーっとブラッシングをして抜け毛をとる。みっしり。粗方とれたらおしまい。ソファに座って豆柴にひざの上を提供する。

音楽を聴きながら、紅茶を飲みながら、ひざで豆柴が寝ている状態で数独をしたりこれを書いたりしている。たまにしぱしぱする目、隠された前脚、あごから頰にかけてのふくらみ、片方だけ下がり気味の耳。